広島戦・その2

前半の立ち上がりは悪くは無かった。前回対戦ではシュートを2本しか打てなかったのに対し開始1分で北村のシュートまで持ち込めましたからね。このシュートは相手DFの果敢な飛び込みでCKとされると、右CKから宮沢が蹴りこむとフォアサイドでレオナルドがあわせるも枠外でした。完全なフリーでしたので惜しかった。もちろんシュートで終わることはカウンターを受けずにすむので良しとされるプレーですが。
そして前半5分に山形からみて右側の近い位置でのFKを与えてしまう。水戸戦でもこの位置から決められたなあと言うことを思い出していたが清水もそう考えたようで、蹴った瞬間に体重を左に寄せてしまった。これが全く逆の右隅にストヤノフに決められてしまう。この後清水が偉く怒っておりましたが、壁に立った選手に対するものなんでしょうが、私にはその理由がわかりませんでした。
この後ゴール正面で与えたFKを今度は森崎が蹴るとそのまま清水まで飛ぶも清水が弾き出す。このときも何故あの低さで誰にも当たらずにゴール正面にいた清水まで届いてのでしょうかねえ。
前半20分過ぎからは完全に広島がいつものプレーを始め、上手いパス回しにプレスがかからず、次々と回してくる。甲府のように偏ったエリアで細かく回すのではなく、選手の距離感が絶妙で上手さだけが目に付いた。試合前にピッチで練習していたときも何しろボールを回すのが上手く相手のプレスに対して瞬間的に逆の選手に出す練習をしておりましたが、全くボールが取れない。それも全てダイレクトで練習していたのを見たのですが、上手いですわねえ。
さて、それでも前半にビッグチャンスがあったことは確か。財前のダイレクトボレーや長谷川左足のシュート等は見ごたえがありましたが、相手にあたってCKや枠外でした。そして山形に得点が入るのが前半ほぼラストプレーでの長谷川のゴール。自陣にいる石川にはプレスがかかるが敵陣まで入った石川には何故かフリーにしてくれました。石川がするするとサイドラインをドリブルで持ち込み、左足で相手DFとGKの間に上げられたクロスを長谷川が頭であわせ、同点。いや〜、助かりました。これでハーフタイムを悶々とせずに和やかに迎えることが出来たし、勝てるかもしれないという希望も湧いてきました。
 
後半開始直後にビッグチャンスが訪れる。相手DFがクリアーミスをしたところに秋葉が詰め、そこから繰り出されたマイナスのクロスを北村がニアに走りこんでしまい、全く合わなかったのが痛かったですねえ。この後も何度か相手ゴール前で面白いプレーをするもののなかなかフリーにさせてもらえず、シュートまでいけないシーンが続くも、若干山形ペースになりかけるも、得点は動かない。
広島がこの山形の攻撃をかわすために、DFでボールを回しながら開いたスペースにボールをどんどん入れてくる。但しバイタルでフリーにしても何故かどこを狙ったかわからないようなシュートを撃ってくれたので、非常に助かった。バイタルエリアやサイドまで運ばれ、相手のミスキックで貰ったボールも回しきれずに放り込んだり、清水のミスキックや味方と会わないスローが目立ち、相手ボールにしてしまうと、広島はじっくり回し山形の足を止めさせようとするものの、ホームでは走り負けない山形が、常に相手のミスを狙う形で守備を整えてしまう。山形が弱いとされるカウンターやロングボールを入れてこなかったことは助かったのだが、パス回しで翻弄される場面が多々あったにもかかわらず、最後の砦のレオナルドや石井のプレーは落ち着いていたように感じる。
そして今日のサプライズである豊田が北村に変わって出場すると、会場のボルテージが上がり、連戦で疲れが見え始めた宮沢と渡辺が交代する。この交代が、決勝点を演出することになる。入ったばかりの渡辺が左サイドでボールをキープし相手を2枚引き付けたところで上手いフェイクを入れて駆け上がった石川にパスを供給。石川はエンド近くから左足でクロスを入れると、真ん中に豊田が流れこむとそれに引きつられた相手DFが右サイドで待ち構えていた長谷川をフリーにしてします。長谷川は迷わず左足をダイレクトで蹴りこむと濡れたピッチをすべるように2バウンドして相手ゴールネットを揺らす。決まったのが後半残り5分。この後広島がネットを揺らすもオフサイドでゴールはなし。確か前半にもネットが揺れたもののオフサイドの判定がありました。
そして長い長いアディショナルタイムを守りきり、広島アウエー初の黒星をつけることが出来、ホーム6連勝だった山形が7連勝と伸ばした。もちろん広島アウエー7連勝の記録もこれで費えたことになる。
選手個々のテクニックやパス回しでは広島に軍配が上がったろうが、試合トータルの上手さで言えば山形が一枚上手だったといえるだろう。我慢して我慢して、攻撃時にはすばやく相手ゴールに迫り、気迫の篭ったシュートを叩きつけ勝ったのですから。