福岡相手に快勝

福岡のリトバルスキー監督は守備で山形の攻撃包囲網を練り上げてきたのに対して山形の小林監督は福岡の守備崩しの策を選手に植えつけてきた試合で前半は福岡の包囲網に掛かり、完全に沈黙した山形。もちろん福岡も守備重視であったことが災いしてシュートまでなかなか上がってくることが出来なかった。前半の得点機会は山形のシュート4本の内の2本に対して福岡のシュート2本の内の1本。がっぷり四つに組んだ戦いとなり、過去の試合を思い出させるような試合ないようだった。違ったのは福岡がマンマークの戦術を組んだことぐらいでしょう。
後半に入ると山形が動き出す。前半無かったボランチの攻撃参加と石川の攻撃参加。後半立ち上がりに失点してしまうパターンが多かった山形が仕掛けた形となり後半立ち上がり3分に長谷川の豪快な左足のゴールが決まり先制する。そして追加点はCKからの長谷川が落としたボールをレオナルドが佐藤にパス。これをそのまま流し込んでのゴール。なんと後半始まってすぐに2点を取ってしまった。
このとき福岡の選手がオフサイドを主張しておりましたが、テレビの映像では全く問題なし。手を上げていた福岡の選手が完全に残っておりました。おそらく長谷川のゴールのときも一瞬戻りが遅かったのでオフサイドではないかとの疑問を残しながらの試合の中で起こったことに苛立ちを感じたのでしょう。まあどちらも山形にとっては全く問題なしのシーンでしたが、相手にとってはそう見えなかったのだろうなあ。
そして2点目を取ったところでミスター3点目の男、宮崎を後半14分に財前に変わって投入する。この投入で前線からの守備が活性化し、なおかつ宮沢をFWに上げて北村を左サイドに入れる。これがこの後大きくものを言うことになるのだが、まあそれはもう少し後の話。今回のCKのバリエーションが多彩であったことから福岡がCKでの守備体系が翻弄され始めレオナルドのフリーのヘディングシュートを浴びてしまうが、これはわずかに枠の外に行ってしまう。
石川がフリーでクロスを上げるようなそぶりでGKの逆を取るミドルシュートは何とか相手GKがはじくことになる。このシュートが効いたのか同じような場面で今度はクロス、長谷川があわせるものの、相手DFが影になったのでしょう。枠の上に外れてしまう。そしてようやく3点目が入ることになる。後半32分、サイドに入っていた北村がサイドライン際をドリブルで駆け上がると、ふわりと上げたボールが右サイドからよってきていた宮崎に渡り、宮崎を囲もうとした相手DFをかわすと、狙い済ましたシュートがゴール右サイドネットを揺らし3点目が入り、試合を決定付けた。まさしく3点目の男、面目躍如の活躍でした。
残り5分からは木村と根本を佐藤と宮沢に変えて守備に入る。ここからは防戦一方となるが、堅い守りでゴールを絶対に奪われないといった体を張った守備が功を奏して完封で勝利した。
残念だったのはレオナルドのイエローだろうなあ。ここまで何度かファールを貰っていたので、危ないなあと見ていたのだが、やはり貰ってしまいました。次節みちのくダービーで彼がいないのは非常に心配ではありますが、代わりに入る選手が頑張ってくれるでしょう。ここまでそうやって頑張ってきた山形ですから。尚暫定ながら自動昇格県内の2位まで山形は上がってきました。勝ち点で3点差だったC大阪が香川がいなくなった影響が出ているのでしょうか?水戸に続いて徳島にも完敗した様で、得失点差で山形が上がる事が出来たようです。
尚山形が強いなんて勘違いはしないほうが良いでしょう。この5連勝ではかなりラッキーな部分があったことは確かであり、その部分はいつ離れるかもしれないのですから。得点を奪われずに少ないチャンスを間違いなく掴むことが大事であり、悪い時間帯で耐え偲び、選手自身で試合中に修正できるだけの気持ちと技術を掴んだときに本当に山形は強いといえるのだから。