勝つことは勝ったのだが

W杯アジア最終予選の初戦、バーレーン相手に3−2と勝つことは勝ったのだが、なんだかなあと言った感想。前半立ち上がりから高い位置からのプレスで主導権を得ようと日本が攻撃に出ると、バーレーンはパスではなくロングボールで対応を図るが、この攻撃は日本が想定していたようで、全く問題なし。前線の1.5列目に入った田中の献身的な守備で相手DFがかなり苛立つシーンまで生まれる。試合の入り方としてはかなり良い部類に入るだろう。そして前半18分に相手ゴール前で得たFKを中村が低い軌道のシュートを直接決め先制する。その直後に危ないシーンを楢崎が凌ぐと、前半終了間際に左サイドPA近くて得たFKを遠藤が短く出したボールを中村が蹴ると相手の手に当たりPKを獲得。このPKを遠藤のタイミングで見事に決めた2−0とし、前半を終了する。前半は危ないシーンも少なく、全く問題なし。
後半に入っても田中の動きが冴え、相手に2枚目のイエローを貰い、ここから数的有利な時間帯が続くもののなかなか得点が奪えない。両チーム共に疲れが見え始めたところで選手を変えてくる。そして変わって入った中村憲剛ミドルシュートが相手に当って3点目を奪いこの試合は決まったかに見えた。なにしろこの3点目が後半39分のこと。ロスタイムをあわせても残り10分も無い時間帯の出来事でしたので、誰もが思ったことでしょう。しかしここから日本のDF陣に疲れが見え始めたこと。また数的有利な状況から、これくらいなら抑えることが出来るだろうという慢心が起きたように思う。右サイドから低く速いグラウンダーのクロスを、ゴール右隅に待ち構えていたサルマンイサに渡り、滑り込んでくる楢崎の上を通すシュートが決まってしまう。このグラウンダーのクロスを体を張って今野が抑えていたなら、全く問題はなかったのだろうが、漫然と見逃してしまった。
この失点直後にまたしても事故が起こってしまう、相手がロングボールをほうりこんでくると、トゥーリオがヘッドでバックパスをするものの楢崎がボールをキャッチしに出ていたために、頭の上を越えてオウンゴール、これで3−2。日本が3点目を取ってから3分間で2失点。残り3分とロスタイム3分を何とか凌ぎきって勝利はしたものの、快勝には程遠いものであった。もちろん結果は勝利したのであり、勝ち点3をアウエーで上げたのですから、最低限の仕事をしたことは確かであり、選手は暑い中で良くやったと思うのだが、試合を3−0で収めなければならないにもかかわらず、試合終了直前に2失点してはあまりにも不用意でありベンチワークにも問題が無かったとは言えないだろう。
この試合で目立っていたのは田中と松井くらいでしょうか。もちろん得点を決めた中村俊輔遠藤保仁中村憲剛については良く決めたと思うし、俊輔以外はそれ程目立ったミスは無かったようにも思うが、一番のミスは監督が玉田に変えて佐藤を出したことだろうなあ。J2から選ばれてでているので応援をしているし、活躍も期待したのだが、途中出場した割には動けていないし、守備も出来ていなかった。もちろん彼が入ってから、悪い流れになってしまったことからそういう風に思えたこともあることはあるのだが。
FWは確かに得点を取ってなんぼと言われるが、今のFWに要求されるものはそれだけでは無い。危険を察知して動けるときには動いて守備をしなくては成らないだろう。特にロングボールで後ろから放り込んでくることが見えていたのですからその出所を押さえなければならない。またクロスに入るボールに対してあまりにも軽く、毀れても一生懸命追うこともせず、広島では絶対的な存在だろうが、代表ではまだ結果を残せていないのであれば、田中のように気持ちを見せてもらいたかった。
まずはこの2失点を教訓にして取れるところでは確実に取り、やりたくない時間帯には何が何でもやらない。気持ちがこもった試合を続けるしかない。W杯絶対に出るんだという貪欲なプレーを今後期待してやまない。
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