ダービー制す

前日に発生した岩手宮地震で沢山の方がなくなり多くの人が怪我をされた中で行われたダービー戦。両チーム共に喪章をつけて試合が始まる。試合のコーディネートは随分前からサポータ有志が練ったのであろうなあ。2年ぶりのコレオグラフィーと開幕戦以来の紙ふぶきはスタジアム全体は今回が初めて。
前半立ち上がりは完全な仙台のペース。開始4分にGKすらかわされて撃たれたシュートがわずかに外に行ってくれた。あそこで失点していたら、どうなっていたことか?徐々に山形がボールを支配し始めると、左右からの攻撃を展開する。右は財前、左は宮沢がボールを運び始める。得点が動くのは前半18分、スローインから宮本、北村が折り返すと宮本がクロスを供給、フォアサイドで相手DFより早く飛び込んだ宮沢のシュートがネットを揺らす。前半早い時間帯での得点で会場が湧く。
前半30分過ぎから仙台ペースとなり、何度かPA内に持ち込まれるものの、集中した守備と体を張った守備で得点を与えない。前半会場が湧いたのは秋葉のミドルシュート。うねりを上げてゴールマウスに向かうもわずかにクロスバーに当たり、その戻りのボールもクリアされてしまう。前半43分の出来事。海保理事長が「今のは入って欲しかったなあ」と独り言。時間帯が時間帯だけに決まっていればと誰もが思ったことでしょう。
後半に入って早く動いたのは勝っている山形。後半10分で財前を宮崎に変える。いつもより5分ほど早い時間帯での交代となった。財前もいつもより気合が入っていたようで、今日はやけに走ってくれたので、早めになったと思われれる。周りから「いつもより1点早いなあ」との声が聞こえる。そうミスター3点目とまで呼ばれているのですから、確かにそう見えるが仙台から3点取るのは厳しいだろうなあと思っていたので、妥当だろうと心の中で思うだが、試合経過と共に現実味を帯びてくるんですなあ、このミスター3点目。
後半21分のCKを石川が蹴ると中央に開いたスペースに飛び込んでのビューティフルゴールを石井が決めてしまう。中澤の髣髴させるようなすばらしいゴールでした。
2点差となった仙台が攻撃に出始める。山形は守備の薄くなったところに宮崎と長谷川が走る展開が続くもセカンドボールが上手く拾えなくなって、立て続けにシュートを打たれはするものの、失点をせずに我慢の展開。残り5分となったところでCKキックでキープする展開に入る。時間を見ながら相手の隙を伺う展開は見ているほうも安心できる。虎視眈々と宮崎は3点目を狙っていたようで、常に相手の背後をうかがいながらポジショニングし始める。後半のロスタイム3分を2分ほど過ぎたところでゴール前に上手く呼び寄せた宮崎がシュートにいくものの相手に当たって毀れる。このボールを根本が拾い、相手GKをかわしてゴール前フリーでいた長谷川にちょんと出すと落ち着いて長谷川が流し込む。決定的な3点目を決めた山形が2年ぶりのダービー勝利にNDスタが湧いた。